行政書士「行政法」の勉強法!地方自治法や3大主要手続法を得点源にするコツ
行政書士試験の合否を分ける最大の「天王山」であり、受験生の間で「行政法を制する者は行政書士試験を制する」と言われるのが、この行政法という科目です。
行政書士試験は300点満点ですが、そのうちなんと112点(全体の約37%)が行政法から出題されます。記述式問題(20点分)も含めると、この1科目だけで合格ライン(180点)の6割以上を稼ぎ出すことができるため、行政法で高得点を叩き出すことこそが独学一発合格の絶対条件です。
しかし、行政法は初学者にとって馴染みの薄い専門用語が多く、地方自治法や行政手続法など、複数の異なる法律が入り乱れるため、「どこから手をつければいいのかわからない」「暗記が追いつかない」と挫折してしまう独学受験生が後を絶ちません。
この記事では、完全独学から行政法で8割以上の高得点を確実にマークするための具体的な月別勉強法、絶対に捨てるべきではない重要分野、そして得点力を爆上げする王道のおすすめ参考書・問題集について結論ファーストで詳しく解説します。
【配点内訳】行政法で「112点中90点」を死守するための目標スコア
行政法で確実に合格ラインを突破するために、どの出題形式で何点を狙うべきか、具体的な目標値を示します。独学で一発合格した人たちの多くが共通して叩き出している「黄金の得点配分」がこちらです。
【行政法の理想的な目標得点】
・5肢択一式:19問中 16問正解(64点 / 76点満点)
・多肢選択式:2問中 2問全問正解(16点 / 16点満点)
・記述式:1問中 部分点で10点以上(10点 / 20点満点)
合計:112点満点中 90点以上(得点率80%超え!)
「択一式で19問中16問なんて無理だ」と思うかもしれませんが、安心してください。行政法は、民法のような複雑なひねり問題や現場の思考力を問う問題がほとんど出ません。
出題パターンの9割以上が「条文の文言そのもの」か「過去の有名な判例の結論そのもの」だからです。つまり、正しい順番で愚直にインプットとアウトプットを繰り返せば、センスに関係なく誰でも努力がそのまま点数に直結する、最もコスパの良い科目なのです。
行政法の独学攻略を大きく加速させる「4つのステップ」
行政法を効率よく得意科目にするためには、ただ闇雲にテキストを読み進めるのではなく、以下の3つのステップを順番にこなしていくのが最短ルートです。
ステップ1:全体像を掴む(まずは「行政法」という1つの法律は存在しないことを知る)
ステップ2:過去問(特に肢別問題集)を徹底的に周回して「出題のツボ」を脳に叩き込む
ステップ3:最重要の「3大主要手続法」の条文を六法で素読する
ステップ4:配点の非常に高い記述式対策をする
このなかで特に独学合格者が口を揃えて重要だと語るのが、ステップ2の「肢別過去問集の周回」と、ステップ3の「条文の素読(そどく)」です。では、具体的にどの法律を重点的に勉強すればいいのか、分野別の詳しい攻略法を見ていきましょう。
1. 【主要3法】行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の攻略ツボ
行政法の全19問中、約半数を占めるのが「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」の主要3法です。ここを完璧にマスターすることこそが、足切りを回避し90点以上を叩き出すための最短ルートです。それぞれの法律の性質に合わせた攻略法を解説します。
まずは入門書で行政法の全体像を理解する
法律を勉強したことがない方にとって行政法は非常にとっつきにくく、いきなり行政書士用の分厚いテキストをやろうとすると挫折してしまう可能性が高くなってしまいます。
そこで、初学者の方に非常にオススメの入門書を紹介します。
こちらは公務員試験対策用ですが、行政書士試験の行政法対策にも非常に役立ちます。
まずはこの1冊をしっかり仕上げることを強くオススメします。
改訂版 伊藤塾の公務員試験「行政法」の点数が面白いほどとれる本
基本テキストはその次です。
2026年度版 合格革命 行政書士 基本テキスト【フルカラー/赤シート対応/試験合格に必要な条文・判例を網羅/別冊六法付き】(早稲田経営出版)
行政手続法:満点必須!条文の「一言一句」を正確に暗記する
行政手続法は、毎年必ずと言っていいほど「条文の文言そのもの」が出題される超サービス科目です。ひねった問題は一切出ないため、ここは全問正解が絶対条件となります。
・「努力義務」と「法的義務」の区別:「〜しなければならない(義務)」のか、「〜するよう努めなければならない(努力義務)」のかを入れ替える引っ掛け問題が頻出です。六法を読む際は、この末尾の表現を徹底的にマークしてください。
・「申請に対する処分」と「不利益処分」の違い:誰かから頼まれて行う処分と、一方的にペナルティを科す処分では、手続きの流れ(聴聞や弁明の機会の付与など)が全く異なります。この2つのプロセスを比較した表を自分でイメージできるようになるまで過去問を回しましょう。
行政不服審査法と行政事件訴訟法:2つの法律を「比較」して覚える
行政の処分に文句があるとき、行政機関に訴えるのが「不服審査法(行政上の手続き)」、裁判所に訴えるのが「事件訴訟法(司法上の手続き)」です。この2つは制度が非常に似ているため、問題作成者は「不服審査法のルールを、事件訴訟法の問題に混ぜる」という引っ掛けを好みます。
・「審査請求」と「取消訴訟」の期限:文句を言える期間(「処分を知った日の翌日から起算して3ヶ月」など)の数字の違いは一発で狙われます。
・執行不停止の原則:どちらも「訴えただけでは、行政の処分は止まらない」という原則は同じですが、例外的に処分を止めるための手続き(執行停止と仮の差し止めなど)の要件が異なります。必ず2つの法律を横並びにして、違いを整理しながら勉強を進めてください。
2. 【地方自治法】範囲が広すぎる鬼門を「捨てずに」部分点をもぎ取る戦略
主要3法に次いで出題数が多いものの、多くの独学受験生が「範囲が広すぎて覚えられない」と匙を投げそうになるのが「地方自治法」です。
しかし、地方自治法を完全に捨ててしまうと、択一式の失点が大きくなり合格が遠のきます。賢い独学者は、以下の「出るポイント」だけを狙い撃ちして省エネで得点しています。
住民の権利(直接請求権・住民訴訟)は最優先でマスターする
地方自治法の中で、最も出題率が高く、かつ対策がしやすいのが「直接請求」と「住民監査請求・住民訴訟」の分野です。
・直接請求の要件:条例の制定請求や首長の解職請求(リコール)など、それぞれ「有権者の何分の1以上の署名が必要か」「請求先は誰か(首長なのか選挙管理委員会なのか)」を表にして丸暗記してください。ここは覚えれば確実に1問取れます。
・住民訴訟のプロセス:いきなり裁判を起こすことはできず、必ず事前に「住民監査請求」を経由しなければならない(監査請求前置主義)といった、手続きの順番がよく狙われます。
国と地方公共団体の関係(関与の法)
国が地方自治体に対して行う「助言」や「是正の要求」といった関与のパターン、およびそれに納得がいかない場合に地方自治体が駆け込む「国地方係争処理委員会」の仕組みも頻出です。
ここも条文の数が限られているため、過去問に出てきた知識をテキストにフィードバックしていくだけで、本番の選択肢を2〜3個に絞り込めるようになります。
3. 【独学専用】行政法の得点力を一気に爆上げする王道のおすすめ教材と回数
行政法で「112点中90点以上」を叩き出すために、独学受験生が絶対に手に入れるべき教材は、分厚い予想問題集ではありません。結論から言うと、以下の3つの組み合わせを愚直にやり込むことだけが唯一の正解です。
「肢別過去問集」を一問一答形式で最低5〜7周する
5肢択一式の過去問をそのまま解くのではなく、選択肢(ア〜オ)の1つ1つを「なぜ○なのか、なぜ×なのか」を判定していく一問一答形式の「肢別過去問集」が行政法攻略の最強の武器です。
行政法は、過去問の文言がそのまま本番の試験に出題されます。テキストを1章読んだら、すぐに該当する範囲の肢別過去問を解き、間違えた部分をテキストに戻って確認する。
このサイクルを本番までに最低でも5〜7周は回してください。正解率が95%を超えた頃には、本番の記述式問題の文章が自然と頭に浮かぶレベルに到達しています。
オススメはこちら
2026年度版 合格革命 行政書士 肢別過去問集【本試験過去問+オリジナル問題/全2766肢/わかりやすい解説つき】(早稲田経営出版)
直前期(9月以降)は六法を使い「手続法」の条文を素読する
肢別過去問集である程度の基礎が固まったら、直前期は必ず「行政手続法」の全条文を頭からお尻まで何度も音読(または素読)してください。
本番の試験では、条文の「接続詞」や「主語」を入れ替えただけの問題が出題されるため、生の条文に触れて「文章の違和感」に気づけるようになっておくことが、択一式のケアレスミスをゼロにする最後の仕上げになります。
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行政法は配点が非常に大きな40字記述対策も非常に重要
そして、最後に多くの方が苦手意識を持つ行政法の40字記述対策も重要です。
記述と言うだけで身構えてしまう方も少なくないですが、内容は基本的な論点からしか出題されず、きちんと上記の対策をしていれば問題なく半分以上(10点以上)は取れますし、必要以上に恐れることはありません。
ただ、行政法112点のうち20点を占める非常に大きな割合なので、1冊だけではなくこちらの2冊を仕上げて万全の態勢で行政書士本試験に臨んで下さい。
【赤シートつき】2026年度版 合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集【答案用紙DLサービスつき/予想問題多数掲載/基礎編・応用編の2段階/行政書士試験対策】(早稲田経営出版)
行政書士の行政法対策でよくある質問(FAQ)
Q. 条文はすべて丸暗記しなければいけませんか?
A. いいえ、すべての条文を丸暗記する必要はまったくありません。
行政法で一字一句レベルの正確な知識が求められるのは、「行政手続法(全46条)」と「行政不服審査法」の主要な条文だけです。
その他の「行政事件訴訟法」や「国家賠償法」などは、条文そのものよりも『過去問で問われた重要判例の結論』の法理を頭に入れる方がはるかに得点に直結します。テキストと過去問で頻出している条文だけをピンポイントで確認すれば十分です。
Q. 地方自治法が範囲も広くて全く覚えられません。捨てるべきですか?
A. 絶対に捨ててはいけません。過去問に出たテーマ(住民投票、関与など)だけに絞って「部分点」を狙いましょう。
地方自治法は条文数が多く、初学者が真正面から挑むと確実に挫折します。しかし、例年3問出題されるうち、2問は過去問の類似知識で解ける基本問題です。
テキストの深追いはせず、2記事目で紹介している王道の過去問集にある問題だけを丸暗記するつもりで繰り返し、3問中1〜2問をもぎ取る『割り切り戦略』で挑むのが大人の賢い独学法です。
Q. 行政法の過去問を解くとき、記述式(配点20点)の対策はいつから始めるべきですか?
A. 択一式の過去問が3〜4周終わり、重要条文の「主語と述語(誰が・誰に対して・何をできるか)」が頭に入った8月以降で十分間に合います。
行政法の記述式は、民法と違って現場で頭をひねる必要はありません。「行政手続法」や「行政事件訴訟法」の条文のキーワードを、そのまま40文字で吐き出せるかどうかの『純粋な一問一答型』です。
択一の勉強の段階から、「差止訴訟の要件は何か」「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき…」など、記述で狙われそうなキーワードを意識して音読しておくことが、そのまま最強の記述対策になります。
Q. 行政法の得点力をもう一段階引き上げるために、他資格の過去問(公務員試験など)にも手を広げるべきですか?
A. 他資格への深追いは完全にオーバーワーク(逆効果)です。
最初のインプット期に、当記事で紹介した公務員用の『面白いほどとれる本』のような分かりやすい「入門書(講義本)」を副読本として読むのは効果的ですが、問題演習として公務員試験の「過去問集」にまで手を広げる必要は一切ありません。
他資格の浅く広い問題を解く暇があるなら、当記事で紹介している行政書士専用の『肢別過去問集』を1周でも多く回して、出題パターンの打率を100%に近づける方がはるかに合格率が上がります。
まとめ:行政法は努力を裏切らない「最大の得点源」
行政法は、最初にテキストを読んだ段階では「カタカナの専門用語ばかりで意味がわからない」と誰もが不安になる科目です。しかし、そこをグッと堪えて「肢別過去問集」を2周、3周と回していくうちに、ある日突然すべての法律の繋がりが理解できるようになり、一気に得点源へと化けます。
試験全体の3割以上の配点を占める行政法で90点以上をキープできれば、独学一発合格の可能性は一気に現実味を帯びてきます。まずは独学の基本テキストを揃えて、行政法の第1章から最初の一歩を踏み出してみましょう!
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行政書士試験の科目別・悩み別おすすめ攻略記事一覧
完全独学・市販の参考書ルートだけで一発合格を掴み取るためのロードマップです。気になる記事から順番にチェックしてください。
【全体像と教材選び】
・【行政書士の難易度】合格率5年分の推移と勉強時間のリアル
・【独学一発合格】行政書士のおすすめ参考書・テキスト・過去問集最新版
・行政書士試験「基礎知識」の足切りを絶対回避する勉強法と時事対策
【主要科目の個別攻略】
・行政書士「民法」をゼロから克服する勉強法とおすすめの独学用副読本
【周辺科目の得点戦略】
・行政書士「憲法」の勉強法!人権の判例対策と統治の条文暗記コツ
・行政書士の「商法・会社法」は捨てるべき?最小限の努力で2〜3問をもぎ取る戦略
・行政書士「基礎法学」の対策と勉強法!配点8点を取りこぼさない基礎知識

