東京・大田区の都立六郷工科高校で、”激辛チップス”を食べた33人の生徒のうち、14人が病院に救急搬送される事態が発生しました。
生徒たちはなぜ、危険な激辛チップスを食べてしまったのでしょうか?その背景には、SNSで流行する「ワンチップチャレンジ」の存在がありました。
世界最高レベルの辛さを持つ激辛チップスの危険性と、生徒たちの体験談を詳しく解説します。
生徒たちを襲った”時間差攻撃”の激辛チップス
- 教室で友人から勧められ、興味本位で激辛チップスを食べた生徒たち
- 最初はおいしいと感じたが、時間差で襲ってくる激辛に悶絶
- 口の痛み、吐き気、手のしびれなど様々な症状に見舞われる
激辛チップスを食べた生徒たちは、最初こそおいしさを感じたものの、すぐにその激辛の威力に襲われることになります。
ある生徒は「時間差攻撃ですね。あとから辛くなってきますね。なんかもう痛いというか」と、口の痛みを訴えました。
また別の生徒は、体が熱くなり、手がしびれ、みぞおちを殴られたようなおなかの痛みに見舞われたと証言しています。
中には、机に突っ伏すほどの痛みに襲われ、車いすで運ばれていく生徒の姿もあったといいます。
生徒たちは、友人から勧められたことや、興味本位で激辛チップスを食べてしまったことを後悔していました。
世界トップレベルの辛さ!激辛チップスの正体とは?
- 激辛チップスの原料は、ギネス記録にも認定された「ジョロキア」という唐辛子
- ジョロキアの辛さはタバスコの約200倍、世界最高レベル
- 高血圧や胃腸の弱い人は絶対に食べてはいけないと注意書きが
生徒たちが食べた激辛チップスは、ピンク色のパッケージに「18禁」の文字が大きく書かれたものでした。
その原料は、ギネス世界記録にも認定された「ジョロキア」という激辛唐辛子の粉です。
ジョロキアの辛さはなんとタバスコの約200倍で、世界最高レベルの辛さを誇ります。
激辛チップスのパッケージには、「高血圧、体調不良、胃腸の弱い人は絶対に食べないで下さい」という注意書きがされているほど、その辛さは危険なレベルなのです。
10年以上トウガラシ栽培を行っている吉岡香辛料研究所の吉岡紘代表も、ジョロキアについて「2007年からギネス世界記録に『世界一辛いトウガラシ』として登録されていたトウガラシ」と、その過激な辛さを認めています。
激辛チップスはどこで買える?
今回話題になった激辛チップスは、茨城県にある株式会社磯山商事が販売している「18禁カレーチップス」で、Amazonで購入可能です。
しっかりと警告が大きく書かれていますが、磯山商事は公式HPでお詫びの文章を公開しました。
一方、違法な商品を販売しているわけではないので、商品の回収は行わないとのことです。
「18禁カレーチップス」の詳細はこちら
SNSで流行する「ワンチップチャレンジ」の危険性
- 若者の間で、激辛チップスを食べてSNSに投稿する「ワンチップチャレンジ」が流行
- 度を越えた辛さに挑戦することが、一種のステータスに
- 過激な辛さを求めるあまり、健康被害のリスクを軽視してしまう傾向も
今回の事件の背景には、SNSで流行する「ワンチップチャレンジ」の存在がありました。
これは、激辛チップスを食べた様子をSNSに投稿するという若者の間でのブームです。
度を越えた辛さに挑戦することが、一種のステータスになっているのです。
しかし、過激な辛さを求めるあまり、健康被害のリスクを軽視してしまう傾向もあります。
今回のように、激辛チップスを食べて救急搬送されるケースも珍しくありません。
SNSでの注目を集めることよりも、自分の健康を守ることが何より大切だと、若者たちには理解してもらいたいものです。
医師が警鐘!激辛チップスを食べると起こる危険な反応
- 過度に辛いものを食べると、血圧や脈拍数が上昇
- 体が元に戻そうとする反応で、脳への血流が減少し意識を失うこともある
- アメリカでは、14歳の少年が激辛チップスを食べた後に死亡する事件も
イシハラクリニックの石原新菜副院長は、過度に辛いものを食べた時の体の反応について警鐘を鳴らします。
激辛の食品を食べると、体がびっくりして血圧や脈拍数が上昇するのだとか。
その後、体が元の状態に戻ろうとする反応で、迷走神経反射が起こり、脳への血流が減少することがあるのです。
その結果、意識を失ったり、めまいを感じたりすることがあると石原副院長は説明しています。
実際に、2023年にはアメリカ・マサチューセッツ州で、心疾患のある14歳の少年が激辛チップスを食べた後に死亡するという痛ましい事件も起きました。
健康被害のリスクを十分に理解することが大切です。
生徒たちの反省と学校の対応
- 事件後、生徒たちは激辛チップスを食べたことを後悔
- 学校は生徒たちに健康被害について注意喚起を実施
- SNSの情報をうのみにせず、自分の健康を守ることの大切さを伝える
今回の事件を受けて、激辛チップスを食べた生徒たちは反省の弁を述べています。
最初は興味本位で食べてみたものの、想像以上の辛さに襲われ、二度と食べたくないと口をそろえます。
学校側も、全校生徒に対して健康被害のリスクについて注意喚起を行いました。
SNSで流行しているからといって、安易に危険なものに手を出すことのないよう、自分の健康を守ることの大切さを伝えています。
生徒たちには、この事件を教訓に、SNSの情報をうのみにせず、自分の判断でよく考えて行動してもらいたいものです。
激辛ブームの行く末は?安全性への配慮が欠かせない
- 激辛ブームは今後も続く可能性が高いが、安全性への配慮が必要
- メーカーは注意喚起を徹底し、販売方法を工夫することが求められる
- 消費者も、健康被害のリスクを理解し、適量を心がけることが大切
近年の激辛ブームは、今後も続いていくことが予想されます。
しかし、今回の事件を受けて、安全性への配慮が欠かせないことが明らかになりました。激辛商品を製造・販売するメーカーは、パッケージでの注意喚起をより一層徹底するとともに、販売方法を工夫することが求められるでしょう。
例えば、年齢制限を設けたり、販売数量を制限したりするなどの対策が考えられます。
一方で、消費者側も、激辛商品の健康被害のリスクについて理解を深め、適量を心がけることが大切です。美味しさを追求するあまり、健康を犠牲にすることがあってはなりません。
激辛チップス事件から学ぶべき教訓
今回の激辛チップス事件は、私たちに多くの教訓を残しました。
SNSで流行しているからといって、安易に危険なものに手を出すことは避けるべきです。
特に、健康被害のリスクがあるものについては、十分な注意が必要不可欠です。
メーカーは安全性への配慮を怠らず、消費者は自分の健康を守ることを最優先に考えるべきでしょう。
この事件をきっかけに、激辛ブームのあり方を見直し、安全性と美味しさを両立させる方法を模索していくことが求められます。
生徒たちの健康被害が一日も早く回復し、二度とこのような事件が起きないことを願ってやみません。